数学・コラム
同じ確率なのに?「表表」と「表裏」のちょっと不思議なおはなし
突然ですがみなさん、コイントスしてますか???
今日は、コインの確率に関するちょっと不思議なおはなし🪙
まずは、ちょっと一問。
2枚のコインを順番に投げる時、結果が[表→表]となる確率と[表→裏]となる確率はいくつでしょうか?
もちろん、表と裏はどちらも同じ確率で、前の結果にも左右されないものとします。
……どちらもですね!
「なんだ、そんな話か」と思った方、ちょっと待ってください。ここから、遊び方を少し変えてみます。
今度はコインを投げ続けて、[表→表]が続けて出たら終了! 何回投げたかを数えておきます。
もう一つは、[表→裏]が続けて出たら終了! こちらも同じように数えます。
たとえば[裏→表→表→裏]と出たなら、[表→表]は3回目、[表→裏]は4回目で登場していますね。2回ずつ区切らず、隣り合った結果を見ていきます。
この二つをそれぞれ何度も何度も試したら、平均して早く終わるのはどちらでしょう? 同じコインの列で先に出たほうが勝ち、という勝負ではなく、それぞれの平均回数を比べます。
さっきは、どちらもでした。ということは……?
同じ……じゃない?
[表→表]は平均6回。[表→裏]は平均4回。
……あれ、違う。(・・?)
しかも、ほんの少しでもなく、平均で1.5倍。どちらも同じだったのに、どこでこんな差がついたんでしょう。
ここで、[表→裏]を待っている気持ちになってみてください。
まず、表が出ました。「よし、次に裏が出れば終わり!」
もう一度投げます。出たのは……表。
あー、残念。もう一回。……また表。(・_・;)
でも、これ、さっきからずっと「次に裏が出れば終わり」のままじゃない?
そう。表が何回続いても、最後の表を使えばいい。一度表が出たら、ずっとリーチのまま。
では、[表→表]を待っていたら? 表が出てリーチ、次に裏が出ると……最初の表を出すところからやり直し。さっきの表は、もう使えません。
外してもリーチのままと、外すと振り出し。なるほど、後者はちょっとしんどそう。
この「やり直し」、式にしてみると。
とはいえ、「しんどそう」だけで6回と4回が出てきたわけではないので、ここは少しだけ計算を。
まず、表が初めて出るまでの平均は2回。1回で出ることもあれば、裏が続いてなかなか出ないこともある。それを全部ならすと2回。裏を待つ場合も同じ。
[表→裏]では、最初に表が出たあと、裏が出るまで投げ続けます。たとえば[表→表→表→裏]なら、最後の2回が[表→裏]。途中で表が何回続いても、裏が出たところで必ず揃います。
だから、数えるのは「最初の表が出るまで」と「そのあと初めて裏が出るまで」の回数。それぞれ平均2回なので、合わせると……
おお、こちらはあっさり。
では[表→表]は? 答えをまだ知らないことにして、最初から終了まで平均回かかる、と置いてみます。
最初の表が出るまで、平均2回。そこから、もう1回投げる。半分の確率で表が出て終了、もう半分は裏が出て振り出しへ。
振り出しに戻ったら、そこからまた平均回。……いま求めたい答えが、また出てきました。
両辺からを引くと、。なので、回!
まだ知らない答えを使って、その答えを求められる。「最初に戻るなら、そこからの平均も同じ」と思えば筋は通るけれど、ちょっと不思議な感じも。
ちなみに、さっきさらっと出てきた「表が出るまで平均2回」も、この方法で求められます。平均を回とすると、まず1回投げて、半分の確率でやり直し。
何回続くかわからないコイントスが、こんな短い式に収まってしまいました。
あの1/4は、どこへ?
最初の「どちらも」は、あれはあれで合っています。
ただし、それは2回だけ投げた結果の話。今回は、投げ続けながら隣り合う2回を見ています。
ここでは揃ったあとも投げ続けたとして、[表→表→表]という3回分の結果を見てみます。1・2回目で[表→表]。2・3回目でも[表→表]。2回目の表を、両方の組で使っています。
4回目も表なら、3・4回目でも[表→表]。2回ずつ別々に投げ直さなくても、新しい表が一つ出るたび、直前の表と組にできます。
一方、1・2回目が[表→裏]だったら、2・3回目は必ず[裏→何か]。次の1回だけで、もう一つ[表→裏]を作ることはできません。
ちなみに、2回ずつ区切って、揃わなければその2回を捨てるルールなら、どちらも平均8回。1組の成功確率はなので平均4組、つまり8回。重なりをなくしたら、同じになった!
この重なりを、ちょっと大げさにして眺めてみましょう。
スタートを、一つずらしてみる。
では、少し極端に。「表が100回連続」と「表が99回続いて、最後に裏」を待ってみましょう。決めた100回で出る確率は、どちらもを100回かけたもの。
ようやく表が99回続いたところ。どちらも、あと1回で完成する候補が一つあります。
「表100回」を待っていて、次に裏が出たら? その裏で表の連続が切れるので、スタートをどこへずらしても、続きとして使える表が残りません。
「表99回の後に裏」を待っていて、次に表が出たら? 最初の候補は外れ。でも、開始位置を一つずらすと、2回目から100回目までが99個の表。次に裏が出れば、今度はこの候補が完成!
使っているのは、同じコインの記録。表が増えるたびに、後ろの99個を次の候補として使えるわけです。新しく99回投げ直す必要はありません。
ちょっと長いので、図では100回を5回に縮めてみます。色の枠が、いま見ている候補。次の表が出ると、枠が一つ右へ動きます。
ピンとこなければ、極端に。
計算は合っているのに、気持ちが追いつかない。そんなときは、数を思いっきり大きくしてみる。逆に、ぎりぎりまで小さくしてみる。
今回は、待つ並びを100回に伸ばしてみたら、「ここまでの記録を、次の候補にも使える」が見えてきました。2回だと見過ごしていたことが、大きくした途端に目に入ってくる。
これだけで何でも証明できる、という話ではないけれど。「え、なんで?」の正体を探す手がかりにはなりそう。
次に数学の不思議な話に出会ったら、すぐに解説を読む前に、ちょっとだけ数字をめちゃくちゃにして遊んでみませんか🪙
