数学・コラム

同じ確率なのに?「表表」と「表裏」のちょっと不思議なおはなし

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突然ですがみなさん、コイントスしてますか???

今日は、コインの確率に関するちょっと不思議なおはなし🪙

まずは、ちょっと一問。

2枚のコインを順番に投げる時、結果が[表→表]となる確率と[表→裏]となる確率はいくつでしょうか?

もちろん、表と裏はどちらも同じ確率で、前の結果にも左右されないものとします。

……どちらも14\frac{1}{4}ですね!

「なんだ、そんな話か」と思った方、ちょっと待ってください。ここから、遊び方を少し変えてみます。

今度はコインを投げ続けて、[表→表]が続けて出たら終了! 何回投げたかを数えておきます。

もう一つは、[表→裏]が続けて出たら終了! こちらも同じように数えます。

たとえば[裏→表→表→裏]と出たなら、[表→表]は3回目、[表→裏]は4回目で登場していますね。2回ずつ区切らず、隣り合った結果を見ていきます。

この二つをそれぞれ何度も何度も試したら、平均して早く終わるのはどちらでしょう? 同じコインの列で先に出たほうが勝ち、という勝負ではなく、それぞれの平均回数を比べます。

さっきは、どちらも14\frac{1}{4}でした。ということは……?

同じ……じゃない?

[表→表]は平均6回。[表→裏]は平均4回。

……あれ、違う。(・・?)

しかも、ほんの少しでもなく、平均で1.5倍。どちらも同じ14\frac{1}{4}だったのに、どこでこんな差がついたんでしょう。

ここで、[表→裏]を待っている気持ちになってみてください。

まず、表が出ました。「よし、次に裏が出れば終わり!」

もう一度投げます。出たのは……表。

あー、残念。もう一回。……また表。(・_・;)

でも、これ、さっきからずっと「次に裏が出れば終わり」のままじゃない?

そう。表が何回続いても、最後の表を使えばいい。一度表が出たら、ずっとリーチのまま。

では、[表→表]を待っていたら? 表が出てリーチ、次に裏が出ると……最初の表を出すところからやり直し。さっきの表は、もう使えません。

外してもリーチのままと、外すと振り出し。なるほど、後者はちょっとしんどそう。

この「やり直し」、式にしてみると。

とはいえ、「しんどそう」だけで6回と4回が出てきたわけではないので、ここは少しだけ計算を。

まず、表が初めて出るまでの平均は2回。1回で出ることもあれば、裏が続いてなかなか出ないこともある。それを全部ならすと2回。裏を待つ場合も同じ。

[表→裏]では、最初に表が出たあと、裏が出るまで投げ続けます。たとえば[表→表→表→裏]なら、最後の2回が[表→裏]。途中で表が何回続いても、裏が出たところで必ず揃います。

だから、数えるのは「最初の表が出るまで」と「そのあと初めて裏が出るまで」の回数。それぞれ平均2回なので、合わせると……

2+2=42 + 2 = 4

おお、こちらはあっさり。

では[表→表]は? 答えをまだ知らないことにして、最初から終了まで平均xx回かかる、と置いてみます。

最初の表が出るまで、平均2回。そこから、もう1回投げる。半分の確率で表が出て終了、もう半分は裏が出て振り出しへ。

振り出しに戻ったら、そこからまた平均xx回。……いま求めたい答えが、また出てきました。

x=2+1+x2x = 2 + 1 + \frac{x}{2}

両辺からx2\frac{x}{2}を引くと、x2=3\frac{x}{2}=3。なので、x=6x=6回!

まだ知らない答えを使って、その答えを求められる。「最初に戻るなら、そこからの平均も同じ」と思えば筋は通るけれど、ちょっと不思議な感じも。

ちなみに、さっきさらっと出てきた「表が出るまで平均2回」も、この方法で求められます。平均をaa回とすると、まず1回投げて、半分の確率でやり直し。

a=1+a2⇒a=2a = 1 + \frac{a}{2} \quad\Rightarrow\quad a = 2

何回続くかわからないコイントスが、こんな短い式に収まってしまいました。

あの1/4は、どこへ?

最初の「どちらも14\frac{1}{4}」は、あれはあれで合っています。

ただし、それは2回だけ投げた結果の話。今回は、投げ続けながら隣り合う2回を見ています。

ここでは揃ったあとも投げ続けたとして、[表→表→表]という3回分の結果を見てみます。1・2回目で[表→表]。2・3回目でも[表→表]。2回目の表を、両方の組で使っています。

4回目も表なら、3・4回目でも[表→表]。2回ずつ別々に投げ直さなくても、新しい表が一つ出るたび、直前の表と組にできます。

一方、1・2回目が[表→裏]だったら、2・3回目は必ず[裏→何か]。次の1回だけで、もう一つ[表→裏]を作ることはできません。

ちなみに、2回ずつ区切って、揃わなければその2回を捨てるルールなら、どちらも平均8回。1組の成功確率は14\frac{1}{4}なので平均4組、つまり8回。重なりをなくしたら、同じになった!

この重なりを、ちょっと大げさにして眺めてみましょう。

スタートを、一つずらしてみる。

では、少し極端に。「表が100回連続」と「表が99回続いて、最後に裏」を待ってみましょう。決めた100回で出る確率は、どちらも12\frac{1}{2}を100回かけたもの。

ようやく表が99回続いたところ。どちらも、あと1回で完成する候補が一つあります。

「表100回」を待っていて、次に裏が出たら? その裏で表の連続が切れるので、スタートをどこへずらしても、続きとして使える表が残りません。

「表99回の後に裏」を待っていて、次に表が出たら? 最初の候補は外れ。でも、開始位置を一つずらすと、2回目から100回目までが99個の表。次に裏が出れば、今度はこの候補が完成!

使っているのは、同じコインの記録。表が増えるたびに、後ろの99個を次の候補として使えるわけです。新しく99回投げ直す必要はありません。

ちょっと長いので、図では100回を5回に縮めてみます。色の枠が、いま見ている候補。次の表が出ると、枠が一つ右へ動きます。

表4回の後を比較。表5回が目標なら、次の裏で連続が切れる。表4回と裏が目標なら、次が表でも2回目から5回目の四つの表を引き継ぎ、6回目に裏が出れば完成する。枠は同じ記録の異なる開始位置を示し、独立した試行ではない。
開始位置の違う候補は、同じ記録を共有する。99個の独立した試行があるわけではなく、99回表が続いた時点の次の1回で完成する確率は、どちらも1/2。違うのは、外した後に候補を引き継げるかどうか。

ピンとこなければ、極端に。

計算は合っているのに、気持ちが追いつかない。そんなときは、数を思いっきり大きくしてみる。逆に、ぎりぎりまで小さくしてみる。

今回は、待つ並びを100回に伸ばしてみたら、「ここまでの記録を、次の候補にも使える」が見えてきました。2回だと見過ごしていたことが、大きくした途端に目に入ってくる。

これだけで何でも証明できる、という話ではないけれど。「え、なんで?」の正体を探す手がかりにはなりそう。

次に数学の不思議な話に出会ったら、すぐに解説を読む前に、ちょっとだけ数字をめちゃくちゃにして遊んでみませんか🪙